2012年 2月号
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今年も早いもので、一年の締めくくりの時期になりました。本格的な冬の到来を迎え、風の音にも一層寒さが感じられます。寒さが厳しくなってくると、体の節々に痛みを生じやすくなります。体を温める食事や運動を心がけるようにしましょう。
今月は『慢性疼痛(まんせいとうつう)』についてです。
- 【慢性疼痛とは】
慢性疼痛とは、はっきりとした原因がみあたらないか、原因のけがや病気が治っているのに、3ヶ月以上続く痛みです。
痛みの期間が長くなるにしたがって、発痛物質(痛みを起こす物質)が血液中に漏れ出して、血流を悪化させ、筋肉を硬くし、さらに痛みが強くなるという悪循環を招きます。痛みに意識や行動を左右されることや、自分の痛みを人に理解してもらえないという辛さなども痛みの持続に関係してきます。
- なかには、痛みのために社会生活に支障をきたしている人もいます。痛みの悪循環にストレスが加わると、不眠、疲れやすい、気分が一日の中で大きく変わる、意識や集中力の低下などのうつ状態も引き起こしてしまいます。
- 【痛みの治療】
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全身のあらゆる部位の痛みが治療の対象となりますが、原因に応じて必要な治療法を組み合わせて行います。代表的な治療法は「神経ブロック」ですが、数多い神経ブロックの中で、当クリニックで頻度の多いものとして以下のブロックがあります。
- 神経ブロック療法
痛みを感じている神経に局部麻酔を注射して、直接、または間接的に痛みの情報が脳に伝わるのをブロック(遮断)する治療法です。 1回の神経ブロックの効果は一時的ですが、数回繰り返すことで血流が改善され、痛みを引き起こす発痛物質が少なくなります。その結果、炎症が治まり、痛みの軽減につながっていきます。
- ■星状神経節ブロック
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局部麻酔を用いて首の付け根付近にある交感神経をブロックし、自律神経を安定させることで自然治癒力を高め、病気や症状を改善する治療方法です。
星状神経節は、頭から胸までの広範な交感神経の中枢であるため、星状神経節ブロックは、この範囲に起こる障害や、痛みの治療に非常に効果的です。
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■硬膜外ブロック
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背骨(脊柱)の中の脊髄を包んでいる膜の外側にある隙間を硬膜外腔といい、ここに局部麻酔などを注入することによって、交感神経や知覚神経の機能を一時的に抑制し、疼痛や血行障害などを緩和する治療法です。
脊髄に近い神経に薬が効くため、治療効果が高く、即効性が期待されます。
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多くの場合、神経ブロックは、薬物療法や光線療法(弱いレーザーや遠赤外線を用いて血流をよくし、痛みを緩和します)と併用されます。
薬を飲み続けても痛みが改善しない場合には、我慢せずに痛み専門の治療を受け、痛みのない日常生活を取り戻しましょう。
お知らせ
年末年始の休診日のお知らせです。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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年末に向け、なにかと気ぜわしい毎日ですが、お体には十分留意されお過ごしください。